こんにちは。
今回は、12月8日に行われるウニムチ(鬼餅)という行事の由来と、伊江島の幼稚園で行われたウニムチ作りの様子をご紹介します。
1. ウ二ムチとは?
一般的に「ウニムーチー」といわれることが多いのですが、伊江島では「ウニムチ」と短く発音します。
「ウニムチ」は、伊江島では新暦の12月8日に行われていますが、以前は旧暦の12月8日に行われていました。
今でも旧暦の12月8日に行う地域が多いです。
2.ウニムチ(鬼餅)の由来
その日は、餅を作って食べますが、その由来を簡単に説明します。
昔、首里に兄妹が住んでいました。
ところがある日、お兄さんが鬼になってしまいました。
そして、夜になると鶏や山羊、牛などを盗んで食べたり、とうとう人間まで食べるようになってしていました。
村人が鬼を退治するという話を聞いた妹は、自分が鬼を退治するといい、お兄さんの好きだった餅の中に瓦を入れ、お兄さんの所へ出かけました。そして、お兄さんを崖の上に誘い、瓦入りの餅をあげました。
瓦が入った餅は硬くてなかなか飲み込めず、苦しんでいるお兄さんを崖から落としてしまいました。
諸説ありますが、これは、私が聞いた話です。
妹がお兄さんを退治した日が旧暦の12月8日だったことから、沖縄ではその日を「厄払いの日」として、餅をつくって食べるようになったそうです。
「ウニムチ」は月桃の葉っぱで包まれていますが、月桃は昔から邪気払いや魔除けに使われている植物で薬草としても知られています。
小さい子どもがいる家庭では、子どもの歳の数だけ連ねて吊るしたり、食べた後の葉っぱを十字に結び、軒下に吊るすこともありました。
十字は鬼の足を模していて、この家にはこんな大きな鬼がいるから入らないでおこうと邪気や魔物が逃げるのだそうです。
今では、子どもの健やかな成長を願う行事として行われています。
3.伊江幼稚園でのウニムチ作り
伊江幼稚園では、昔ながらの伝統行事に触れ、沖縄に伝わるウニムチの由来を知る事をねらいとし、12月14日にウニムチ作りを行いました。
事前に「ウニムチの由来」の紙芝居を読み、ウニムチの歌を歌ってから、作り始めました。
この日は園児のおばあちゃんたちも参加し、園児たちに餅を長丸に丸める方法や葉っぱの包み方や、結び方を教えながら、こし餡と紅芋の入った二種類の餅を作りました。
丸めた餅は、シンメーナビ(四面鍋)とグンメーナビ(五面鍋)の大きな鍋で蒸しました。
会場となった地域連携室や家庭科室には、月桃のいい香りが漂いました。
蒸されたお餅は、試食したり、各家庭へお土産として持ち帰ったり、葉っぱでお守りの魔除けも作りました!
きっと、この一年も健康で元気に過ごせることでしょう。