こんにちは。
今回は、米軍爆弾処理船LCTの爆発事件の記念誌「伊江島の記録と記憶 伊江島米軍爆弾輸送船LCT爆発事件」の発刊ついてご紹介します。
1.米軍爆弾処理船LCTの爆発事件とは?
第2次世界大戦が終わって3年が経った米軍統治下の1948年8月6日に米軍爆弾処理船LCTが伊江島沖で爆発し107人の尊い命が犠牲になりました。
その船には未使用の爆弾が125トン積まれていたといいます。
それが荷崩れを起こして爆発しました。
運悪く、その時間は渡久地港と伊江港を往復する連絡船が伊江島の港に入港する時間だったのです。
そのため連絡船の乗員や乗客、出迎えの島民も事件に巻き込まれ大惨事となったのです。
2.本の発刊にあたって それぞれの想い
その悲惨な事故を記録に残し、この爆発事件が未来永劫に語り継がれるようにと「伊江島米軍LCT爆発事件8・6の会」が2016年に結成され、今回、記念誌「伊江島の記録と記憶 伊江島米軍爆弾輸送船LCT爆発事件」が発刊されました。
会長の島袋義範さんは事件が発生した昭和23年に生まれ。
同級生の中には、この事件で肉親が犠牲になった人が8人もいた。
遺族の苦悩や後遺症で苦しんでいる方がいる。
その事実がこの会を結成する引き金にもなった。事件の記憶が未来永劫に語り継がれる事を希望する。
と話してくれました。
本はA4判で114ページ。
その中には、昨年の11月に「伊江島の記録と記憶PartⅡ」と題し那覇市民ギャラリーにて、開催された「LCT爆発事件」「爆弾集積場の火災・爆発事故」「伊江島に降りた白いハト・緑十字機」の記録写真や、
ビデオ上映した「いーじまぐちで語るLCT爆発事件」「平和劇・時をこえ伝えよう」
と、パレット市民劇場でのシンポジュームの内容が収められています。
ビデオ上映された「いーじまぐちで語るLCT爆発事件」は、会顧問の並里弘安さんが体験者から聞き取り調査をした証言も収められています。
また、2019年に西小学校6年生が同事件を題材に発表した平和劇「時をこえ伝えよう」の写真やシナリオも掲載されています。
およそ200枚の記録写真の中には事故当時の写真もあり、悲惨な光景が誌面から伝わってきます。
代表顧問の元村長島袋清徳さんは
この事件を風化させることなく後世に伝えねばという強い想いを共有する皆さんが集まり発刊に至った。
この記念誌は多くの人々の平和への思いを満載した貴重な歴史資料である。
と話しました。
事務局の長嶺福信さんは
島の人達のそれぞれの場所で聞いた音、見た光景などの記憶。それが伊江島の記憶である。
体験者の話を聞きそれを体系化してこの本が出来た。
これは島の人の、島の人による島の記録である。多くの人に見てもらいたい。
と語りました。
2019年西小学校の教頭先生で平和劇に関わった玉城睦子さんは
6年生が演じた事実が記録として残り、人々の心の中に記憶として刻まれることを願いたい。
と話しまた。
本は県内書店にて販売予定で2千円。
問い合わせは、☎090(4470)8559(長嶺さんまでご連絡下さい。)