こんにちは。
今日は島の西江前区にある「二ーバンガジュマル」を紹介します。
1.「二ーバンガジュマル」とは?
伊江島では第2次世界大戦では激しい地上戦が繰り広げられ、艦砲射撃等でたくさんの兵隊や民間人が犠牲になりました。
そのような中で終戦後、日本の敗戦も知らずに昭和20年から22年までの2年間、米兵に気づかれないようにガジュマルの木の上に身を潜め、生活をしていた二人の兵隊がいました。
うるま市出身の佐次田秀順さんと、宮城県小林市出身の山口静雄さんです。
その二人が生活をしていた木が「ニーバンガズィマール」と呼ばれ、今では平和学習の一環として伊江島の子供たちや民泊の生徒がたびたび訪れています。
「ニーバン」とは、ガズィマール(樹木)のある宮城家の屋号です。
- 何故、戦中、戦後の2年間も木の上で暮らさないといけなかったのか?
- 終戦を知らなかったのか?
- 食料の調達はどうしたのか?
- 2年間も木の上で米兵に見つからずに生きて行けたのか?
現在では考えもつかない様々な疑問符が浮かんできますが、本当にあった話なのです。
厳しかった樹上生活の様子は、真鍋和子さん著「ぬちどうたから 木の上で暮らした2年間」に記されています。
残念ながら今は絶版になっていますがネットなどでも購入できます。
2.演劇の題材にもなりました。
「二ーバンガジュマル」の話は、「木の上の軍隊」というタイトルで、舞台劇にもなりました。
井上ひさしさんの原案で蓬莱竜太さんの作による舞台劇です。
栗山民也さん演出、藤原竜也さん主演で、こまつ座&ホリプロ公演として2013年4月5日に東京で初演を迎えました。
2016年には、キャストが山西惇さん、松下洸平さんに変わりました。
沖縄出身の普天間かおりさんが、ガジュマルに棲みつく精霊“語る女”として出演し、二人の兵士を見守り、沖縄の声を琉歌に乗せ届けました。
2019年には、沖縄県でも上演されました。
出典「木の上の軍隊」公演ポスターより
3.伊江島の学校での取り組みを紹介します
伊江島の小学校では、伊江島の戦いの悲惨さを知り平和を願う気持ちを育てるねらいで、1年生から6年生まで 平和学習を実施しています。
学年に応じたカリキュラムを設定し、島内の戦跡巡りや戦争体験者の話を聞くなどを島の人たちを巻き込んだ取り組みをしています。
その中で3年生が、二ーバンガジュマルを訪ね、関係者の宮城孝雄さんから話を聞きました。
宮城さんは、
現在、日本国内では戦争がないので安心して暮らせています。今日をきっかけに世界情勢にも目を向け関心を持ってほしい。また、沖縄戦の事や平和について考えてほしい。
と話しました。
ガジュマルの木は、焼け野が原となった島の中で逞しく生き残り、その幹で二人を支え、その木の枝で二人を包み隠し、その命を守りました。
20メートルはあろうかと思われるガジュマルの木を見上げると、
この平和な世の中に生まれてきて良かったね。これからの平和はあなた達が守ってね。
とささやいているようでした。