こんにちは。
前回は沖縄の旧盆の過ごし方についてご紹介しましたが、今回は「旧盆や御願で使われる道具」についてご紹介します。
旧盆使われる道具
「足を洗う水」
旧盆のウンケーの日は、朝からご先祖様を迎える準備をします。
庭には足を洗う水を用意し、それと「めどはぎ」という野草を束ね一緒に置きます。
足の泥を落とす役目をするのだそうです。
「ソーロー箸」
「めどはぎ」の枝をお箸の長さに切り「ソーロー箸」を作ります。「ソーロー箸」は、精霊たちが使うお箸だとされています。7人分14本揃え、仏壇に供えます。
「ミンヌフ」
昼の間に、果物やサトウキビ、「ミンヌフ」などを仏壇にお供えします。
「ミンヌフ」とは、サトウキビの若葉や芋の葉っぱなどを細かく切り小さな皿に入れたものですが、これは餓鬼や無縁仏様がたべる物だといわれています。
「ガンシナ」
果物や西瓜やパインなどは「ガンシナ」の上に置きます。
「ガンシナ」とは、藁などを輪の形に編んだしめ縄の縄だけのようなものです。
「ガンシナ」は、果物が安定する様に西瓜やパインの下に敷きますが、先祖の皆様があの世に帰る時に、お土産を頭にのせて運ぶ時に使われるともいわれています。
私は新聞紙を代用します。
「サトウキビ」
サトウキビは、伊江島では短いものと長いものが供えられます。
短いのは杖の代わりで長いのはお土産を担いで帰るためのものだそうです。
御願で使われるもの
「平ウコウ」
沖縄の線香は平ウコウといわれ、黒色で平たく一本に細い線香が6本くっついています。
旧暦の1日や15日の御願などは「2本と半分」、合わせて「15本」を燃やします。
「打ち紙」
「打ち紙」は、あの世のお金とされています。
黄土色の神に銭型の押し印が押されています。
お盆や法事、清明祭などで燃やして祖先を供養します。
以上、いかがだったでしょうか?
最近は自然環境や生活様式も変化しお盆の行事も簡素化されてきています。
例えば、お供え物の「サトウキビ」は生産者が減り、「めどはぎ」も原野も少なくなり、手に入れる事が難しくなりました。
あの世の交通手段も車になっているはずだから、担ぎ棒は必要ないよ。
ご先祖様も靴を履いて帰ってくるから足を洗う水は必要ないはず。
などの価値観も広がり、準備をしない家庭も増えてきています。
地域や家庭によってお供え物やお祈りの仕方も様々ですが、祈るという行為は人間にしかできない行為だし祖先を思う気持ちも崇高なものだと思います。
形は変化していっても、地域の文化や行事は継続していってほしいですね!