知る人ぞ知る、伊江島の「アーニーパイル記念碑」と慰霊祭の物語

こんにちは。

今回は、アーニーパイル記念での碑慰霊祭についてご紹介します。

 

1.戦場ジャーナリスト「アーニーパイル」

アーニーパイル(本名 アーネスト・テイラー・パイル)は、第2次世界大戦中に従軍記者として戦地に同行していたジャーナリストです。

兵士の視点から戦争を情緒的に書き、1944年には「ピュリッツァー賞」を受賞して、有名な存在となりました。

1945年4月16日に伊江島に上陸しましたが、2日後の18日に現在の「アーニーパイル記念碑」が建てられている地で、日本兵の銃弾を受け亡くなりました。

ちなみに「ビュリッツァー賞」とは、アメリカ国内で発表された報道・文学・音楽に対して与えられる賞で、ジャーナリストの質の向上を目的として、1917年に新聞出版業で財を成したジョーゼフ・ピューリツァーの遺志に基づいて創設されました。

2.伊江島にある「アーニーパイル記念碑」と慰霊祭

毎年、彼の命日にあたる4月18日に近い日曜日には、伊江島にある「アーニーパイル記念碑」で慰霊祭が行われることになっています。

慰霊祭には、伊江島補助飛行場司令官中尉や、沖縄に住む在沖在郷退役軍人の方たちが、彼の偉業を称え献花に訪れます。

例年はテントも張って、たくさんの人が集まり開催されますが2020年は新型コロナウイルスの影響により中止となり、2021年は関係者が数名集って小規模で行われ、伊江島からは村民を代表して伊江村長や、議会議長も参加しました。

3.戦後、それぞれの歩んだ道

退役軍人の団体を代表して献花した方と、慰霊祭が終わった後にお話しすることができました。

その方は、ベトナム戦争に参戦されていて、20年以上従軍されていた方でした。

現在はその経験を生かして、戦争未亡人のケアなどを行う退役軍人の会で活動され、慰霊祭が行われたこの日は、退役軍人の代表として献花に訪れて下さったそうです。

この方が所属する退役軍人の団体は「アメリカン リージョン ポスト 28」といって、日本語では『アメリカ在郷軍人団』という組織の様です。

『アメリカ在郷軍人団』は、1919年に第一次世界大戦のときにアメリカ軍がヨーロッパに遠征する際、兵士の働きによって組織された団体で、戦争未亡人や戦争に参加しアメリカに帰ってきた軍人のケアなどを中心に行っている団体とのことです。

お話して下さった方が本当に穏やかで紳士的な方だったので、「こんな人が一兵士として戦地で戦っていたのか」と信じがたい気持になりました。

日本側の歴史では「アーニーパイル」を含めて、米軍兵士のケアなどについては、あまり知る機会がありませんが、直接お話が聞くことができ、とても感銘を受けました。

 

いかがでしたでしょうか?

伊江島へご来島の際には、港からも比較的近い場所に「アーニーパイル記念碑」がありますので、ぜひ立ち寄ってみて下さい。

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