こんにちは。
今回は、伊江島の「くゎーむいうた」という子守歌をご紹介します!
1.「くゎーむいうた」とは
「くゎーむい」とは「子守り」の事で、子守りをしながら歌われた歌の事です。
島の保育士たちが、聞き取りをして紙芝居や絵本などにまとめました。
現在はあまり歌われていませんが、島のことばを継承させるため子供たちに見せたり、学芸会で歌ったり、夕方の帰宅を促すときの防災無線で流したりと、いろんな手立てをして子供たちに伝えています。
2.歌の歌詞と意味をみてみましょう!
【1番】
わっためぬ しんだんぎ
あしじゃくでぃぬぶてぃ
うてぃてぃ ゆむすぃぶる
わらばちゃしゅが
意味:
私の家の前のせんだんの木に
下駄を履いて登って
落ちて大切な頭を打って
怪我をしたらどうするの
その頃は栴檀やガジュマルなどの大きな木が家の前や周りのもあったのでしょう。
【2番】
とうだいぐゎよ とうだいぐゎ
いちゃる たかむぬが
あらぬちぬ まちぬ
たきどぅんちゃる
意味:
灯台というものは
どれだけ高いのか
阿良の道にある松の木が
高いと思っていたのに
その頃、伊江島には東洋一の高さを誇る灯台がありました。
現在の阿良の浜には松の木はありませんが、当時は「灯台はこの木より高いのかなぁ」と思うほど大きな松の木があったのですね。
【3番】
ぐすくぬめぇぬ いちゅでぃ
やにんなり いちゅでぃ
てぃるんがま すぃくてぃ
むいんか いちゅでぃ
意味:
城山のふもとに生っている山いちご
今年もたくさん生ったけど
来年ももっと生ってください
てぃるんがま(かご)をつくって
摘みに行くから
今は駐車場になっている山の中腹あたりには野生の苺があったようです。
食べ物も少ないその頃は、野苺は最高級のおやつだったのでしょう。
【4番】
こうばんしゅぬ くゎむや
あんだぶたすぃきてぃ
はらずぃめぇに ぐずぃでぃ
しゅむつぃ めぇだち
意味:
交番の子の子守りをする時は
髪に油をつけて
髪を前に結って
本を前に抱いている
交番のおまわりさんは、子守りを雇うほど裕福だったのでしょう。
その交番の子供を背負って学校に通う様子を歌っている歌。
学校にも通えない子から見ると、子守りをしながらでも学校に行ける人がうらやましかったでしょうね。
【5番】
ぐすぃくだき ぬぶてぃ
いりんかてぃ みりば
くさとぅから んずぃる
んまぬ ちゅらさ
意味:
城山に登り
西側を見たら
くさとぅ(拝所)から出てくる
馬の姿が美しい
富里は天上の神の在所で、古代部落の発祥の地とされており、現在は拝所となっています。
この拝所から出てきた馬が美しいと歌われています。
この日は折目の祭事でもあったのでしょうか?
伊江島の子守歌「くゎーむいうた」、いかがでしたか?
この歌が歌われていた時代は、常に自然とともに生きていたような気がします。