伊江島の歌碑でタイムスリップ!「砂持節」に描かれる原風景を訪ねてみよう

伊江島の歌碑でタイムスリップ!「砂持節」に描かれる原風景を訪ねてみよう

こんにちは。

今回は、以前伊江島の観光地「阿良御嶽」と「阿良の浜」についてご紹介した際に触れた、「砂持節」をより詳しくご紹介します。

「砂持節」の作詞・作曲者、年代については不明ですが、伊江島の琉歌の起源は、16世紀頃といわれていますので、その頃につくられたのではないかと言われています。

この時代にあった「地割」という制度により、伊江島では荒地を畑として割り当てられた農家は、浜辺の砂を運んで土地を改良していました。

「砂持節」は、その砂を運ぶときの労作歌です。

唄の節々で登場する「ゼイサー」という囃子言葉はこの歌特有のもので、志気を鼓舞する掛け声です。

それでは見てみましょう!

1.「1番」は、砂を運ぶ時の作業歌

<歌詞>

阿良の浜砂やヨ 持てば禁じられて(ゼイサー ゼイサー ゼイサー)

たんで西泊(ハイヨ)持たちたぼり(ゼイサー ゼイサー ゼイサー)

 

<読み>

あらぬはましなやよ むてぃばちじらりてぃ(ぜいさー ぜいさー ぜいさー)

たんでぃ いりどぅまい(はいよ)むたちたぼり(ぜいさー ぜいさー ぜいさー)

 

※以降、すべての曲に「()」の囃子言葉が入ります

 

■意味

阿良の砂浜は持つと禁じられて

お願いです西泊 持たせてください

 

この時代、阿良の浜は那覇へ向かう上納船の船着場でした。

上陸の際、船底を引きずって船を陸に上げていたため、浜の砂が少なくなると船底を傷つけてしまうことから、砂の持出が禁止されていました。

この歌はそんな背景の中、「砂を持ち出させてほしい」と申し出ている情景を歌っています。

2.「2番」は、愛しい人への恋歌?

<歌詞>

ぱるやぱんたばる 道やクビリ道

思ゆらば里前 探めていもり

 

<読み>

ぱるやぱんたばる みちやくびりみち

うむゆらばさとぅめ とぅめてぃいもり

 

■意味

畑は険しい高地の畑 道は小さい坂

私のことを思うなら貴方 探していらしてください

 

「里前(さとぅめ)」は、女性が愛しい男性のことをいう方言です。

この様な地形を利用して密会したいという願望が込められた歌です。

 

3.「3番」は、のどかな農村風景

<歌詞>

ぱる出じて見れば うく豆の香ばさ

島の美童の匂い香ばさ

 

<読み>

ぱる んじてぃみりば うくまみぬかばさ

しまぬみやらびぬにうぃぬかばさ

 

■意味

畑出てみると インゲン豆のとてもいい香り

村の娘の匂いもいい香りだ

 

歌詞にある「かばしゃ」は沖縄民謡の歌詞によく使われます。

「うっとりとするような良い香り、高貴な香り」という意味です。

4.「4番」は、当時の庶民の生活を詠った歌

<歌詞>

真謝原の芋や一根から三笊

赤嶺の小堀 洗い所

 

<読み>

まじゃばるぬんむや ちゅむとぅからみばき

あかんにぬくむい あらいどぅくる

 

■意味

真謝原の芋は一本の茎から三つの笊いっぱいになる。

赤嶺の池はその芋を洗うところである。

現在はゲートボール場になっている赤嶺の小堀ですが、昭和35年頃までは池がありました。

むかしは、ここで芋や野菜を洗い、馬や子どもたちも水遊びをしたそうです。

 

 

以上、「砂持節」についていかがでしたでしょうか?

島の原風景が感じられる歌なので、ご来島の際にはぜひ歌碑巡りなど楽しんで下さい!

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