こんにちは、伊江島のみっちゃんです!
実は伊江島は昔から川がないため、水不足で島民は困っていました。
伊江島の中央より南にある川平区に「ハンジャニーバナ」という森があり、そこには今も「マーガ」という井戸があります。
ここは戦前から戦後まで伊江島の大切な水源地でした。
なぜこの湿地が「マーガ」と呼ばれたのか?
いつだれがその水源を探し当てたのか?
今回は、伊江島人にとって、とても大切な「マーガ」についてご紹介します。
1.「マーガ」の由来とは
昔々、マカトという女の子がいました。
ある日、ハンジャニーバナ森のふもとで、まり付きをして遊んでいました。
ところが、まりがコロコロ転がってどこへ行ったか分からなくなりました。
大切なまりを探さなくてはなりません。
草むらや木々の間を押し分けて森の中を探していると、尖った岩の傍らの、落ち葉の中にまりが入り込んでいました。
マカトは落ち葉を掻きわけてそこに手を突っ込むと、何と綺麗な水がこんこん湧き出ていたのです。
マカトは家に帰るとその事をお父さんとお母さんに話しました。
お父さん、お母さんはそのことを番所に申し出ました。
島の人は、だれ一人そこに泉があり水が湧き出ている事は知らなかったので、とても喜びました。
早速村人を集めて、泉のある所を掘り下げ、そして大きな井戸を作りました。
井戸は女の子の名前から「マカト井戸」と名付けられ、その後、いつの間にか「マーガ」と呼ばれるようになったそうです。
2.「マーガ」と島の人々の生活
「マーガ」の水は「神様の水」と、崇められて井戸の傍らには、水の神様が祀られました。
旧暦の五月の折り目と8月10日には、村の人々が集まって拝むようになりました。
また、元日には、村中の娘たちが朝早くおきて若水を汲みに来ていたようです。
その水で顔や手足を清めると若返るという事で元日の朝は、人がひしめいて足の踏み場もない程でした。
また、赤ちゃんが生まれれば産湯は必ずマーガの水を使って「元気な子になれよー。」といっておねがいされたようです。
マーガの水は、昭和50年ほどまでは飲料水として使われていましたが、現在は水道が出来て使われないようになっています。
ですが、島で生まれた人達は産湯で使われた水だからという事で、現在も「ウブガー」といって拝んでいます。
島人の命を守り支えてきた「マーガ」は、昭和52年には伊江村指定有形民俗文化財となり大切に守られています。
以上、マーガにまつわるお話でした。いかがでしたでしょうか?
伊江島に来られた際は寄ってみて下さい。