郷土の文化を語る「かやぶき屋根の家」

こんにちは。

伊江島の西江上区の旧赤嶺池、(島の人は、アハン二ブチャと呼んでいる)現在はゲートボール場になっていますが、その一角に茅葺の屋根の家があります。

そこで今回は、その「かやぶき屋根」の家を紹介します。

なぜ、伊江島に「かやぶき屋根」が?

この茅葺家は、2006年に広島経済大学教授で伊江島の方言を調査研究のため島を訪れていた生塩睦子先生の要望で、先生の研究費と村の予算で復元されました。

生塩先生は

時代の進化とともに郷土の文化が風化していく中で、昔ながらのかやぶき屋を復活させる事で、昔の暮らしや文化をたどる事や観光や教育の場として活用できる

と話し、かやぶき屋を知る地域のお年寄りの記憶をもとに、西江上区民と教育委員会の職員が一か月ほどかけて完成させました。

小学生や中学生は、土を踏み粘土状にし、それを石を積んで作られた壁のつなぎ目に塗り込みました。

地域の大人たちは、屋根のススキを刈り束ねて屋根にさす作業などを行いました。

この復元作業には、子供からお年寄りまで述べ170人の区民が関わりました。

2022年にも屋根の萱の差し替え作業を実施

建物が完成してから2010年、2014年、2017年、2019年に屋根の葺き替え作業が実施されました。

2022年もその作業を実施し2日間で50名ほどの参加がありました。

区長の知念さんは

今回も皆さんのご協力のお陰で、見違える程綺麗になりました。

この茅葺家は昔の暮らしを伝える貴重な建物です。観光や教育資源としても活用できる。

区の大きな財産としてこれからも守っていきたい。

と話しました。

実は、この屋根の材料となるススキも以前より少なくなっている事から、その材料を集める事もだんだん難しくなっているようです。

また、実際にこの茅葺屋根の家を作った方々も少なくなり、継承する事が難しくなりつつあります。

地域の若いの皆さんも一緒にその作業を行い、その方法を見習い身に付ける事が大切だと思います。

以前は、隣近所の人が集まってそれぞれの家を建てたようです。

沖縄で大切にされている助け合いの精神「結マール」が生活の中に生きていたのですね!

この場所の一角には、歌碑も建てられて以前ご紹介したことがあります。

その歌碑には、伊江島の民謡で有名な「砂持節」の4番の歌詞が刻まれているので宜しければそちらのブログもみて下さい。

伊江島にいらっしゃる際は「かやぶき屋根」の家を訪ねて、昔の人々の生活に想いを馳せてみませんか?

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