こんにちは。
今回は、伊江島のシンボル城山についてご紹介します。
以前、頂上にある「ちからタンナーパの足跡の伝説」や「中腹に建っている碑」についてはご紹介しましたが、今回は城山の秘密についてお話します。
城山(ぐすくやま)の「オフスクレープ現象」とは?
島中央から少し東にずれたところにある山が城山(ぐすくやま)です。
標高は172.2mで、沖縄本島からもよく見る事が出来、伊江島タッチュー(イータッチュー)の愛称で親しまれています。
城山は、「オフスクレープ現象」によって形作られたとして知られています。
「オフスクレープ現象」とは、古い岩盤が新しい岩盤に潜りこむ中で一部が剥がれて新しい岩盤の上に乗る現象だそうです。
世界的にもこの現象で形作られた山は珍しく実際に目に見える形で確認された例は、地球上では城山より他にはないとのこと!
もっと詳しくご説明しましょう。
「オフスクレープ現象」で地質学に触れよう
伊江島周辺の地質は、
白亜紀(今から1億4000万~6500万年前)
の岩盤の下に、白亜紀よりも古い地層の
三畳紀(今から2億5000万~2億1000年前)
が潜り込んでいます。
ところが、城山は、最も古い「三畳紀」の岩盤が、「白亜紀」の岩盤に滑り込むときに、その一部がはがれて乗り上げ、今から4000万~3000万年前に隆起し、現在の姿になったようです。
そのため、
「白亜紀」の岩盤の上に「三畳紀」の岩盤が乗っかっている状態の山
となり、このように
新しい地層の上に古い地層が乗っかっている現象
を、地質学的には「オフスクレープ現象」と呼んでいるそうです。
この事は、琉球大学の海洋学科の氏家教授を中心とするグループが地層のサンプルを採取し、中に含まれている放散虫を調べたことで発見されました。
島のシンボルでもあるタッチューは、実は島とは別の時代のもので、島全体の地質より7千万年も古いのです!
伊江島では、タッチューが一番長寿なのですね。やっぱり凄いです!
人間が住み着く以前から島の歴史を見ているのです。
城山は「しま山100選」に選ばれました!
公益財団法人日本離島センターが、21都道県76市町村93島にある山を「しま山100選」として選定しました。
ホームページによると、選定の目的は以下のように紹介されています。
海に囲まれた島の山々の個性や魅力にスポットをあて、全国の島々を対象に、「しま山100 選」を選定しました。「しま山」を通じて、訪れる人にも、島の人にも、島の魅力を再発見してもらい、交流の促進につなげていくことがねらいです。
この「しま山100選」になんと伊江島の城山が選出されました!
沖縄では、城山を含め5つの山が選出されているので、山好きな方は伊江島にも遊びに来てもらえたら嬉しいです。
城山の秘密、いかがだったでしょうか?
晴れた日には、与論島や渡嘉敷島からも城山の頂が見えるそうです。
水平線からポコッと城山の頂が海面から顔(頭)を出している様子を、いつか私もその地へ行って見てみたいです。