こんにちは。3月は別れの季節です。
伊江島でも毎年、離島ならではのシーンが繰り返されます。
それは進学のため新たな地へ旅立つ子や、伊江島での任期を終え次の学校へ転任される先生方が、新たなステージへ向かうために島を離れる「別れのフェリー出港」です!
今回は、その風景を切り取ってご紹介します。
0.伊江島の風物詩「見送り式」とは
伊江島には小学校2校、中学校1校、合わせて3つの学校があります。
島に赴任した先生方のほとんどは1年から3年間勤務し、異動になります。
以前は、先生方も個人個人の都合でそれぞれに島を離れていたのですが、何時の頃からか村の教育委員会の主動により、3月の最終週の金曜日1時出港する船に乗るよう、転任される先生方に呼びかけました。
それで毎年、3月の末にはこのような見送り式の光景が繰り返され、今では風物詩になっています。
1.3月26日 12時40分(出港20分前)
村内にある3学校の先生方が新天地に向けて旅立つ時。
生徒や保護者、教育関係者が港に集まり、港は見送る人でいっぱいになりました。
子どもたちや保護者は、先生方に感謝の気持ちを伝えたり、花束や贈り物を渡したり、最後の別れを惜しむ姿が見られました。
「〇〇先生、お世話になりました」
「ありがとうございました!」
などの横断幕を掲げ、先生たちを見送ります。
家族で伊江島に赴任した先生方の子どもたちも、否応なく島を離れることになります。
同級生や保育所の子どもたちも、保育園の先生と一緒に見送りに来ていました。
小さな体を震わせて大きな声でお別れする友達の名前を呼んでいる姿が健気で印象的でした。
2.3月26日 13時00分(いよいよ出港)
船が港をゆっくりと離れると、見送りにきた人たちは大きな声で
「有難う御座いましたぁ!」
「元気でねえ!」
と言いながら船が見えなくなるまで 手を振り続けていました。
先生方もデッキに登り、大きく手を振ってその声に応え、思い出いっぱいの島を後にしました。
船が沖に出てしばらくすると、お別れを惜しむかのように「ボーボー」という霧笛が鳴り響きました。
伊江島の風物詩、いかがでしたでしょうか?
このブログに掲載した写真を見るだけで伊江港に満ち溢れていた感動が伝わってきますね。
ちなみに、伊江島の船舶事業は就航101年目に突入しました。
この101年の歴史のなかで、伊江島からは、夢に向かって旅立つ若者たちや、「海を隔てた向こうには素晴らしい世界がある」と信じて島をあとにした人を、幾人も乗せて出港してきました。
また、新年度が始まるころには、本島から伊江島に来る人たちの足となり、「伊江島ってどんな所だろう、どんな人たちが住んでいるのだろう」という期待と不安も一緒に乗せて、伊江島に入港したことと思います。
フェリーという存在は、伊江島の人々の門出に欠かせないもの。
これからも別れの風物詩や歴史が続くことを願っています。