こんにちは。
実は、伊江島は「伊江島の村踊」が「国の重要無形民俗文化財」に指定されるほど、沖縄県の中でも芸能の盛んな島です。
島の至る所に歌碑が建っています。
そこで今回は、北海岸にあるリリーフィールド公園と、絶景スポットの湧出(わじぃ)にある歌碑についてご紹介します。
1.リリーフィールド公園にある歌碑
リリーフィールド公園は伊江島の北海岸にあります。
4月の下旬からゴールデンウィークにかけて開催され、100万輪のてっぽう百合の花が咲き乱れる「伊江島ゆり祭り」の会場として、県内でよく知られています。
香しい百合の香と白い絨毯を敷き詰めたような絶景に息を飲むほどです。
そのリリーフィールド公園に、恋歌の歌碑があります。
琉球古典音楽でも有名な「仲村渠節」(ナカンダカリブシ)という歌碑です。
伊江島にある歌碑は、題名が「仲村柄節」となっており、歌の内容は同じですが字が「渠」が「柄」となっています。
「仲村柄そばいど 真簾(マスィダシ)は下げて
あにらはもとまば 忍(シヌ)でいまうれ」
歌意は、「仲村柄家の母屋のそばいど(屋戸口)に すだれをさげてあるときは大丈夫だから 忍んでいらっしゃい」という意味です。
この歌には、こんな哀しい伝説があります。
仲村渠家は、島の由緒正しい旧家。この家の娘のマカトゥーは絶世の美女で、島の若者の憧れの的でした。
しかし、彼女は海を隔てた伊江島の北側に浮かぶ伊平屋島(イヘヤジマ)に、松金という恋人がいて、彼に逢うために度々北海岸へと降りていました。
ある日、いつものように彼に会いに出かけたところを、運悪く島の若者に見られてしまいました。
島の若者は嫉妬から、大きな声で「マカトゥーを見たぞ!」と叫びました。
見られた彼女は、なすすべなく断崖から身を投げました。
松金も悲嘆にくれ愛する人の後を追い海に身を投じた、というそんな悲しい伝説が残されています。
2.湧出展望台にある歌碑について
景勝地の湧出展望台から少し離れたところに、小高い広場があります。
そこに大きな牛に似た碑が建てられています。
これが「こてい節」です。
「大西の特牛やなさぎやうらと 好きゆる
我島 若者や 花と好きゆる」
歌意は、「大西(地名)の牛は なざきやうら(植物の名前)が 好きであるが われわれ島の若者は 美童が大好きである」という意味です。
この歌は、古典舞踊曲として親しまれ、曲調は同じで歌詞が異なるものが、県内各地にあります。
この場所は、ジャンプ写真の絶好スポットで、カメラワークによっては2メートル程高く跳んでいるように撮る事が出来ます。
以上、お勧めの歌碑とフォトスポットについてでした。
「歌碑巡り」をテーマに伊江島を探索するのもお勧めです。