こんにちは。
今回は伊江島にある伊江中学校の卒業式の様子をご紹介します。
伊江島にとっての中学校の卒業式とは?
伊江島には高校がないため、卒業と同時に親元を離れて暮らす子どもたちがほとんどです。
その為、PTAが主体になり小学校から中学校の間に、子供たちの自立を促す「島建ちの教育」と呼ばれる取り組みが行われています。
たとえば、小学校5年生から中学生まで買い出しから、弁当作り片付けまで、すべて子どもだけで行う「弁当の日」を実施しています。
また、中学3年生になると、伊江島の漁業協同組合の協力で魚料理教室も行われています。
同じく3年生を対象に地域の先輩を招聘した「マネープラン講座」も行っています。
その為、伊江中学校の卒業式は、島建ちの教育の集大成でもあり感慨深い行事なのです。
卒業式のテーマに込められた想い
3月12日、第74回の卒業式が行われ、村長や教育長、教育委員や保護者、後輩に見守られて伊江中74期生3 1名が学び舎を後にしました。
今年の卒業式のテーマは「飛邃」と書いて「ひすい」と読みます。
個性という花言葉を持つ「翡翠蘭」と、幸福・健康の宝石言葉を持つ「翡翠」にかけた言葉で、「邃」という漢字には「深い」という意味があり、
74期生の個性を大事に、これからも強く深い絆で結ばれた、幸せな未来に向かって飛び立とう。
という思いが込められているそうです。
感動の卒業式で手渡された両親への手紙
答辞の中で卒業生の知念さんは、
保護者の皆さん、地域の方々、コロナの中にあっても学ぶ場を整えてくれたことに感謝します。先生方、僕たちの可能性を信じて一緒に本気で取り組んでくれた事に感謝します。
と、周りの人への感謝の気持ちを伝えました。
その後、卒業生から両親への手紙を渡すプログラムがあり、代表して崎浜さんが読み上げました。
15か年愛情深く育ててくれてありがとう。毎回試合を見に来てくれてありがとう。
高校生活全力で頑張ります。これからも頼りにしています。
15か年の子供の成長は喜ばしい事ですが、これから離れて暮らすことの寂しさや不安は、親も子も同じだと思います。
涙涙の一コマでした。
思い出の伊江島一周クルージング
卒業式終了後には、フェリーでの伊江島一周卒業記念クルージングが行われました。
この日、卒業式を終えたばかりの3年生とその保護者や家族等が伊江島と本部を就航する「フェリーいえしま」に乗り込み島を一周しました。
謝恩会と中学校最後の思い出をつくってほしいと保護者が企画しました。
子ども達もなかなか見る機会のない、島の北側や西側の海上からの伊江島の姿を見る事が出来て、喜んでいました。
4月から新たな生活が始まりますが、伊江島に生まれた事を誇りにし、夢への第一歩として高校生活を楽しんでほしいと思います。